【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は7月10日発売の『装翼のドラグーン~高校生からはじめる! 移動都市でSF傭兵生活~』です。みなさんの感想も聞かせてください!
万博なんかで新たなテクノロジーを見ると、いかにも未来、という感じでとてもワクワクしますよね。そんな、夢のある未来なら大歓迎なんですが……。キノコみたいな侵略者が宇宙から襲来してきた七〇〇年後の世界、しかもひとりきりなんて未来だったら? 考え得る限り、最悪な未来。自分のような凡人ならまず間違いなく即、人生終了でしょう。
だがしかし、彼――マキシマには、なぜか廃棄都市に遺されていた特別な武装がある。ちょっと口は悪いけど、頼りになる機械の相棒がいる。気の良いイカレた(笑)仲間もいる。そして、自身でも知らない、未知で規格外な力がある! これだけの燃える要素を盛られておいて、絶望なんかしていられる男子がいるでしょうか? もちろん、いるわけないですよね!

魔法や剣で戦う、ファンタジーな異世界もいいですが、機動兵器やらミサイルやらが飛び交うSFもまた、実にいいものです。まあ、マキシマのように、初見の敵にいきなり体当たりをかますような無茶は、ちょっと遠慮したいですが。
自分にとっては、久々のSF作品。それだけでもテンションを上げるには十分でしたが、彼らの戦いは始まったばかりで、謎もいまだ謎のまま。はるか未来の世界観や、新たな武装の登場にも期待したくなる、メカ好き男子は必見の熱い一冊でした。

文:瀧田伸也
ざっくり言うとこんな作品
1)バイトの帰り道、巻嶋朝輝の身に隕石が直撃。確かに死を感じた彼だったが、目を覚ませばそこは、見覚えのない場所だった……。
2)地球外よりの侵略者『異蝕体』の脅威にさらされた、七〇〇年後の世界。人類の敵と対峙した時、彼の身に謎の力が発動する!
3)ベリタス、ルーノア、エリーたちと出会い、傭兵として新たな一歩を踏み出すマキシマ。戦い続ける彼らを待ち受けるものは……!?
主要キャラ紹介
▼巻嶋朝輝(マキシマ)
七〇〇年後の廃棄都市で目覚めた少年。家訓を守って義理堅く、困っている人を放っておけない。その身に宿した「封璽機関」の力で、正体不明のA2・クロウゴーストを駆る。

▼エイヴリル(エリー)
浮動都市『ハイラテラ』に住む、傭兵の少女。多数の異蝕体に囲まれ孤立無援だったところをマキシマに助けられ、行く当てのない彼らを傭兵として、自身の部隊に迎え入れた。

▼ルーノア
廃棄都市を出たマキシマたちが出会った少年。退屈だったからといきなり家出したり、傭兵の初仕事から物怖じせずに銃を乱射したりと、愛らしい見かけによらず、大胆で剛毅な性格。

▼ベリタス
マキシマが目覚めた廃棄都市を管理していた機械知性。マキシマを古代人と呼び、出会った直後は彼の素性を疑っていたが、なりゆきで手助けするうち、彼と同行する事に。
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