これが私の2025年百合オブザイヤー！　「顔だけ良い」クラスメイトの顔以外の良いところも少しずつ知っていくドキドキ甘々なガールミーツガール。

【新作先読み感想文レビュー】
今回はファンタジア文庫から7月18日に刊行された『顔だけ良いクラスメイトが、やたらとグイグイ来る百合の話。』です。みなさんの感想も聞かせてください！

　顔の良い女と顔の良い女が交わったら、そりゃあもうビジュアル的に百合オブザイヤーなんですよ。まだ7月ですが、百合オブザイヤー2025は『顔だけ良いクラスメイトが、やたらとグイグイ来る百合の話。』に決定です。ぱんぱかぱーん！

　……いや、感想文がそれで良いのかという話ですが、考えてもみてください。「顔だけ良い」なんて人がいるでしょうか。そう絶対、顔以外にも良いところはあるのです。多くの人にとって顔が良すぎる余り、そのほかの良いところに目がいかないだけなんです。

　おまけに本作の百合はあらゆる面で攻めてます！　主人公である女の子・律は、彼氏とのキスは渋っているくせに、クラスで浮いてる「顔だけ良い」女の子・綴と初めてのキスをするわけですが……。いや、こんなの百合オタク特攻の展開すぎるってぇ……！
　それに対してまんざらでもないような主人公の顔、どんどん絆されていく様子、何をとっても最高です。こういうベタ甘攻め攻め百合はなんぼあってもいいですからね。最初のキスから舌を入れるとか、もう攻め攻めの綴（本人的にはそういう気ではないんでしょうけど）が最高です。最of高。このトーンで続けていったら、ユリユリゼミが寿命迎える前に死ぬぞ！
　自分の気持ちを素直に、正直に、ぐいぐい伝えていけるってそれだけで「良いところ」ですからね。やっぱり人によって見える、その人の「良いところ」にはそれぞれ微妙に違いがあるからこそ、人との関係には尊さがあるんじゃないかと思います。律が綴の顔だけじゃない良いところをたくさん見つけていく物語が、至高と言っていいでしょう。

　にしても、べにしゃけさんの百合イラストは最高ですね（いきなり）。これだけでご飯が何杯もいけるってものです。パジャマお泊まりシーンの口絵も最高ですし（可愛い）、なにより綴の顔が良い。そりゃタイトルにも「顔だけ良い」って入ります。いや、顔だけが良いわけではないんだが……（以下、エンドレス）。もちろん律の顔も良いので、いつか第1章前、髪を切る前の律のイラストも描いてください！　そこまでは死ねませんので……。

テキスト：太田祥暉

ざっくり言うとこんな作品

１）空気の読めないクラスメイト……と思っていたら、そんな女の子からいきなりのキス!?　途端に始まるぐいぐい攻めてくる女にタジタジになる主人公の様子が可愛い！

２）好きでもないのにイケメン男子と交際することに悩んでいる、憂う思春期女子の悩み模様がたまらない！　意図せずぐいぐい攻めてくる女がその助けになることも……！

３）最初は苦手だと思っていた女に対して、どんどん気持ちが変化していく主人公の描写が愛おしくてたまらなくなる！　果たして最終的な二人の関係は……!?

主要キャラ紹介

海道 律（かいどう りつ）
クラス内の中心カーストに所属している女の子。ただし、その集団の中にいることに辛さを感じていて、本当は仲の良い友達が少ない。関係が冷え冷え（一年付き合っているもののキスをしていない）な彼氏がいる。

矢来 綴（やらい つづり）
律と同じくらい顔が良い女の子。しかし、友達がおらず、教室では浮いている孤高の存在。休み時間もいつも一人で本を読んでいる。これまで律と話したことはほぼなかったが、いきなり声をかけてきて……。