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カリスマサキュバスが学園に百合ハーレムを作ったそうです。せっかくなのでちょっと覗いてみませんか?

角川スニーカー文庫
角川スニーカー文庫
2025/07/31

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は8月1日刊行のスニーカー文庫『人間ちゃんの警戒心が薄すぎる!』です。みなさんの感想も聞かせてくださいね。


 下心全開の主人公(サキュバス)が人にはない能力を駆使してハーレムを作ろうだなんて、いくらなんでもモラルというものが……なんて心配がありましたが杞憂でした。たしかに好き放題はやっているのですが、ある種の爽快感というか、嫌な感じはせずエンタメとして楽しめるギリギリぐらいを攻めているのが見事ですね。相手の気持ちを尊重して正面から向き合っているし、浮気にはちゃんと突っ込みが入るし、悪辣な印象は抱かなかったんですよね。

『人間ちゃんの警戒心が薄すぎる!』より

 さらに言えば、主人公は明確に人間の上位存在として描かれているのに、可愛げがあります。サキュバスらしく手が早いわりに私服ひとつ見ただけで大はしゃぎしている様子とか、可愛いのはどっちですかという話です。これは唯一無二の語り手だな、と確信してからは非常に楽しく読めました。

 読了して気になったのは、主人公がどうして人間の女性に執着するようになったのか、ということです。少々メタな推察をすると、現状は始めからずっと女好きでも違和感のないストーリーに思えます。それなのに男性を好むサキュバスから宗旨替えしたことは明言されていて、ここに並々ならないドラマを感じます!! これはきっかけとなった因縁の女性がいるのではないでしょうか。今のところは順風満帆なハーレムですが、動き出したすみれの件も含め、次巻はストーリーのギアが一段、いや二段三段と上がるのではないかと期待しています!!

『人間ちゃんの警戒心が薄すぎる!』より


文:中谷公彦

ざっくり言うとこんな作品

1)魔法も使えるサキュバスだからこそ成せる、みんなが幸せの百合ハーレム! 驚異的なスピードで人間ちゃんを口説いていく力業を見よ!

2)1冊のうちにたくさんの人間と出会い、紆余曲折を経て好かれ、その先のイチャイチャまで描ききった凝縮感!

3)なんでもできるけど直接催眠をかけたり洗脳はやりません。おおむね無法者なのに、ときどきウブで、フェアな様子が透けて見える地の文に注目。

主要キャラ紹介

七志明日乃(ななし あすの/アスノティフィル・ナナークーシャ)
本作の語り手。異種族と人間が親睦を深めるための交流生として、人間界の女学園に赴いた学院主席のエリートサキュバス。かわいい女性(人間ちゃん)を愛で、伴侶を見つけることを目的としている。

七志明日乃

揺川未姫(ゆれかわ みき)
人間離れした美貌から遠巻きにされていた明日乃にはじめて話しかけた生徒。優しく無邪気な性格で、異種族にも興味を持っている様子。

揺川未姫

藤村燐華(ふじむら りんか)
生真面目な性格で、努力を惜しまず学園一の権力者にも対抗する有名人。突如生徒会長選に介入し生徒会長となった明日乃に敵意をむき出しにする。

藤村燐華

此巻坡音(このまき はいん)
色白、小柄でミステリアスな雰囲気をまとった生徒。人間としては珍しく明日乃に対しても無関心な態度を貫いていたが、それには事情があるようで……!?

此巻坡音


本作をギュッと凝縮して紹介するイントロ漫画もあります。是非チェックしてみてください!

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    カリスマ女子がやりたい放題のハーレムガールズラブコメ!
    鐘楼 (著者) / べにしゃけ (イラスト)
    発売日: 2025/08/01
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