電撃文庫の新刊
みんなのレビュー
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ヱロ本Gメン2016/05/079とめどなく流れる涙に負けず劣らず止まらないページをめくる指先。秋山瑞人の筆致にこもる血と糞の臭いは既にここから始まっていた。絶望踊る戦闘シーンは、どんなハリウッドクソ映画より遥かに勝る。粗は確かにある。しかしそれに勝る何かが指先の震えを止めることはない。この興奮はシドニアの騎士に似ているかな。いやシドニアの騎士が似ているのか。キャラクターが全員生きている。だから言わざるをえない。R.I.P.キスカ斥候隊、漢キスカ・トレツォフ。あなた達を忘れない。ヤバいほどの大傑作E.G.コンバット此処に在り!
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ヴィオラ2018/07/176おおまかな展開はお約束なポイントを外さず、ルノア隊に対する尋問記録や試験の解答用紙などといった、細かな所で構成に変化をつけている感じ。おかげで、退屈する事なく王道を楽しめました。 2巻では、特に流体脊髄素子GARPをはじめ、ホモ・サピエンスではない知性体が印象的。もちろんお約束的なラストも含めて…。ツボを絶妙に突いてくるなぁw
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青海老2017/11/052いや~多分5回ぐらい読んでて展開も完璧知ってるのにまた泣いてしまった。何が原因なんでしょうね。サクっと分析すると、虚構があまりに作りこまれ過ぎていて現実感が、私が今生きていて感じるそれよりあるんですよね。文章をもりもり食べて生きてきたっていう私の感性のせいもあるかもしれませんが。それに加えて、独特な文章力ね。最近個人的に文章を書く機会が激増したので、今ならわかる。マジはんぱねー、と。流れるように話が展開する。視点は紙芝居のオヤジ視点。そういう視座って結構珍しい気がする。ともすると、漫画の文章化になるから。
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GEL2010/10/252再読。一人称とも三人称ともつかない、独特な語り口と、むちゃくちゃかっこいい言葉選びのセンス、それらが生み出す描写の密度が秋山瑞人の魅力だと思う。そのなかでも言語的センスが一番よかったのがこれ、かなあ。「電線に、電気を通すと、そこには意識が生じるんです」脳みその中身を全部ひっくり返しても、こんな言葉出てきやしない、この言語感覚と、後半の怒濤の展開で、初期秋山瑞人の最高傑作だと思う。
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Reino2014/07/031なんかこう、細々としたところがみんな好きなんですが、その中でもベスト3を上げるとするならば3位ペスカトーレの尋問、2位ルノアがキスカを思い返すところ、1位ラスト、というところかな、とは思うんだけれども、しかしあとがきのテンションが高くて、まさかファイナルがいまだに出てないなんて信じられない。だがしかし、3rdを意気揚々と読み始めることにするのである。
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