電撃文庫の新刊
みんなのレビュー
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眠る山猫屋2018/05/0840再読。時系列的にはvsイマジネーターと平行か。統和機構から見捨てられた緑色の合成人間、軌川十助が世に出るところから物語は始まる。かれを世に出したのは寺月恭一郎、彼の能力は超絶旨いアイスクリームを作ること。いやいやそんな訳ないでしょ、後にブギーポップに「出会った中でも最大級の世界の敵かも」と言われてたくらいだから。本質が優し過ぎて、優しく世界を終わらせてしまいかねない緑色のピエロは、ブギーポップの敵になるのか。飛鳥井仁さんも再登場。行き先を見失った緑色の彼は、何処に行ったのだろう・・・。
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シュエパイ2016/03/2718子供の頃は、魔術師を名乗る彼の恐ろしさがいまいちピンとこなくて、けれども寂しいんだなってところだけはなんとなく理解できて。今、おとなになってから読み返してみれば、改めて、その力の危険性が感じられるような気がしたのですよ。KOKIAさんの『孤独な生きもの』みたいに、恐怖や孤独こそが私達を支え続けてくれているんだって、その逆を思えば凄く理解できる「世界の危機」なのだなって、わかる気がしてくるのです。それでも前に進まなくちゃって、彷徨う彼の命に、いつかきっと幸いと安らぎがありますように。。。
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ヱロ本Gメン2016/03/1316逆説に満ちた物語、というより逆説の物語だ。物語中で語られる「本物の嘘」ってやつ。結局求めるのは既に無い、無いからこそ狂おしいほど求める。お互いが必要であり、必要だからこそ立ち去る。悲しい喜劇、陽気な涙。あなたが笑うのは私が悲しいから。だからわたしはあなたの為に物語を読む。そこではあなたとわたしはともに泣いているに違いない。読み進める指が先行く気持ちがもどかしいのはそれが逆説の物語だから。僕たちだけはペパーミントの魔術師を忘れない。
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ヤギ郎2019/04/2113ペパーミントアイスを食べるとこの物語を思い出すだろう。「(・・・)Rize (Riseの誤植?)and fall of poor innocent puppet」(325)から,軌川十助は物語の多くを操り人形として人の手のひらの上で過ごした。しかし,最後は「世界の敵」でありながら生きながらえた存在である。
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光心2015/04/0112ネタバレあり斬川十助という人物の純粋さ、しかしその彼の心の清らかさと裏腹に能力は世界を間違いなく終わらせるもの。世の中は自分の思ったとおりにいかないもので、それゆえに人は痛みを忘れたいと願ってしまう。だけど、その痛みがこそ人を人たらしめている。ブギーポップの敵は、そういうある種の正義であるけれど歪んでしまったものが多く、敵の考えにも共感できてしまうのが上手いなぁと思う。 飛鳥井先生の登場が意外で、でも彼と対等に相対できるのは彼しかいないのだと思えば必然だったようにも思う。十助はまたどこかで出てくるかな?
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