成澤准教授の最後の恋
発売日 :
2010/01/01
傲慢フランス文学者×新米編集者が贈る、最初で最後の溺れる恋。
なにもかもつまらない――。そんな成澤は、非常階段から飛び降りようとしている蒼井を助ける。しかし、「ただ雨に濡れたかっただけ」と呟く蒼井が、なぜか気になり、無理やり担当編集者にさせるが…。
- レーベル: 角川ルビー文庫
- 定価: 607円(本体552円+税)
- ISBN: 9784044550042
角川ルビー文庫の新刊
みんなのレビュー
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エンブレムT2010/05/1555地位も名誉もお金もあって、頭脳と美貌となんでも揃った成澤准教授。何もかも手にしてるが故のペシミストって・・・・「こいつ結構ヤな奴だな~」って思いつつ読んでました(笑)でも、無自覚な恋に囚われてからの彼の不器用っぷり&振り回されっぷりが可愛いのでヨシ!その相手が、他の人を見つめている地味で誠実な青年ってトコもイイ!!切ない過去を持つ蒼井視点のショートストーリー『春惜月』は素直に好き♪伝わってくる穏やかさになんだかホッとできました。
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合縁奇縁2019/02/1049この攻めは学生時代からつまみ食いばかりで本気の恋をしたことのないある意味、純粋な人。恋に関して無敗な攻めが遊び半分で手を出した地味な相手に完全ノックアウト(笑)初めての恋に溺れ最初は認めないけど、受けとの出会いが今までなかった嫉妬や独占欲の感情を曝け出し翻弄される攻め心理描写がとても良かった。受けが攻めを身代わりにしていたことを告げて去り、攻めが文学者とてのプライドを捨て陳腐な告白するシーンも良いが、情事の時だけ受けの全てを手に入れたと感じても終わると何も残らないもどかしさを思う攻めの心内にじーんと来た。
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マッコリ30成澤と蒼井が全く好みじゃなかったので途中まで読むのがしんどかったけど成澤が本気になってぐるぐる悩みだしてからは楽しくなってきた。ありふれた素直な告白良かったなあ。でも正直成澤と蒼井の恋よりも高校時代の彼にキュンときちゃいました。彼がするはずだった返事には切な泣き。そしてあとがきの「太陽と月に背いて」の感想はまさにその通り!!当時唖然としたものです。今見たらオヤジ受萌え〜って思うのかな(笑)
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きのこ2015/01/1326ネタバレあり★★★+☆☆ フランス文学部准教授兼有名翻訳家の成澤×新米編集者の蒼井。 強い雨の夜に成澤が非常階段から身を乗り出していた蒼井を自殺と誤解して助けたことをきっかけに、2人は近づいていくが、だんだん本気になる成澤に対して、蒼井には癒えない過去の傷があり…というお話。 社会的地位もあり真剣な恋をしたことのない遊び人の成澤が、最初は遊びのつもりだったのに、見た目は地味な蒼井にはまって、なりふり構わず追いかけていくのがよかったです。後日談が、本編でほとんどわからなかった蒼井の気持ちがわかっていい感じでした。
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[春]2010/07/0721ここはシャンソンのかかる雨降る窓辺かと思うほど、高みからアンニュイに恋を皮肉っていた成澤。初恋を自覚すると同時に胸破れる思いをさせられ、舞台の移動とともに地に足の着いた人間らしさで恋心と向き合い、足掻く。情景描写がキャラの心情に寄り添ってて引き込まれた。中盤で成澤の胸を抉った蒼井の発言には、成澤と共にショックを受けつつ「出た、健気の皮を被った自己完結!」と思ったが、蒼井の側から見ればあまり間違ってないので成澤の自業自得・・いやいや、どっちもどっちにしとこう。蒼井視点の話もあってよくまとまってて楽しく読了。
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