右園死児報告 久
発売日 :
2025/07/18
この報告書は安全ではない。速やかに抹消せよ。
令和■年、発見された一連の有害情報群。
編纂者は不明。
本情報群は、「右園死児報告」を補完する性質を持ち、
その構成は、怪文書、または報告書から散逸した断片的文書によって成り立っている。
この記録群は、ヒト型右園死児「三田倉九」に関連している。
――「久」とは、「九」の同義文字。
すなわち、「永久」「無限」「天」「皇帝」……
尽きることなき概念を内包する。
編纂者は不明。
本情報群は、「右園死児報告」を補完する性質を持ち、
その構成は、怪文書、または報告書から散逸した断片的文書によって成り立っている。
この記録群は、ヒト型右園死児「三田倉九」に関連している。
――「久」とは、「九」の同義文字。
すなわち、「永久」「無限」「天」「皇帝」……
尽きることなき概念を内包する。
- レーベル: その他単行本
- 定価: 1430円(本体1300円+税)
- ISBN: 9784047384699
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みんなのレビュー
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眠る山猫屋2025/07/2657前作より飛躍的に良い!報告書の羅列は変わらないが、今回は前日譚的な様相。維新後の廃仏毀釈を任じられていた上司と部下。部下の名は三田倉九、そう、前作で鯨の腹から右園死児化して見つかったあの男。日本を異界化する“右園死児”と遭遇し調査を行う過程で上司を失った彼は、否応なく最前線に立たされる事に。あざとく小狡く冷酷な男が孤独に破滅に立ち向かう物語。利害関係で集めた仲間たちと勝ち目の無い戦いに明け暮れる三田倉の心境の変化が苦しくも切ない。伏線の回収も見事だったし、前作の登場人物たちとの再会も善き。(→続)
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フナムシ2025/08/059ネタバレあり報告案件 右園死児作品群について。 報告者 前作読了者の私、✕✕✕✕。 右園死児について補完を行う物語の体をなしている。補完は失われた箇所を補う行為であり、読了者の脳内へ明確な右園死児を形造る事になる。未だ解明されたとは言いがたい影響や性質が懸念され、新たな脅威となる可能性を排除できないが、既に世に出回っており、回収は非常に困難であろう。この方式が安全であると言う前提が異なっていた場合、我々は既に大きな間違いを積み重ねている状態である。人間は進化する。右園死児も同様なのではないだろうか。経過観察を続ける。
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あられ2025/07/279前の本より読みやすく、わかりやすかった。薄っすらと災厄の輪郭がみえ、どう防ぐか、三田倉九の動きがわかる。これでひと区切り? 四角で囲んだ有害信仰物報告のカタカナが読めません。orz。。。小さすぎる。。。←写真撮って拡大しようとしたがぼやけてしまう。。。棚主一郎太、二郎佐、三琴、四郎か四乃、五郎と続く一族のこともおもしろそう。。。
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アノニマス2025/08/3081巻目だと間違えたまま読みきったので三田倉九が主人公だとばかり。表紙をよく見たら「久」と記載されている。Xで流れてくるリンクから断片的には読んでいたが一気に読んだ方が全体のストーリーを理解しやすくて良いなと思っていた。『うつろ猿』の報告が印象的だったのを覚えている。印刷して紙飛行機にして飛ばしたりしたら絶対にいけない。本編を読んだ後で感想が変わりそうな作品。
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みじんこ2025/08/108ネタバレあり表紙デザイン的にそっくりなので続編(外伝)が出ていたと最初は気づかなかった。「寂しがり屋」の三田倉にとって、安堂邸で皆が集まっていた「運命共同体」時代が一番心穏やかだったのかもしれない。終わることなき孤独な戦い、色々な面で疲れ限界が来てしまうのは当然だっただろう。手にした強権で最後に国の仕組みを作り変えたことは、他の全員を当事者とするという彼なりの復讐であったと言える。「令和」での田畑義峰の文書はいかにもな小物の責任転嫁だ。「民俗学者から三田倉九への手紙」は右園死児の起源に迫る内容で興味深い。
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