世界の終わりに君は花咲く

発売日 : 2025/10/10
死の雨、滅びゆく街。僕は世界と彼女を天秤にかける。
とある地にて突然降り始めた『黒曜雨』は、瞬く間に世界中を恐怖で覆い尽くした。
 触れた人間を死に至らしめる黒い雨は、僕らの街も例外なく襲う。人々の怨嗟の声は、激しい雨音にかき消された。
 『黒曜雨』の危機から五年が経った現在、僕・晴原想河はまだこの街で生きていた。透明な雨が降りしきるなか、隣の彼女・午堂夕妃と一緒に空を見上げる。そこには天を突き破らんばかりに大樹がそびえ立つ。
「お姉ちゃん……」
 夕妃の姉・朝妃は自らの命を代償に、『黒曜雨』を浄化する大樹となった。この街は救われ、人々は笑顔を取り戻しつつある。
 けれど、僕らの犯した罪は――まだ決して許されてなどいなかった。
  • レーベル: 電撃文庫
  • 定価: 792円(本体720円+税)
  • ISBN: 9784049164169

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みんなのレビュー

  • よっち
    2025/10/12
    とある地にて突然降り始め、瞬く間に世界中を恐怖で覆い尽くした黒曜雨。死の雨によって滅びゆく街で、世界とかけがえのない彼女を天秤にかける物語。自らの命を代償に『黒曜雨』を浄化する大樹となった兄の彼女・午堂朝妃。優しい晴原想河が密かに抱えていた悔恨と、高校生になった彼女の妹・夕妃との再会。様々な葛藤をずっと抱えて生きてきた2人が、どうしてこうままならない状況に陥ってしまうのか。それでも大切な人には生きていてほしいというそれぞれの想いは尊くて、ひとつひとつに向き合っていったその結末がとても印象に残る物語でした。
  • 真白優樹
    2025/10/12
    死に至る病を齎す黒い雨と、それを浄化できる大樹に変わる病が生まれた世界で、とある罪を抱えた少年が、後輩の少女と再会し始まる物語。―――共に死ぬ世界か、一人生かす世界か、選ぶその果てに。 罪を許す彼女との恋人同士としての日々、それを切り裂く、強くなる黒い雨。世界が人類を滅ぼそうとする中、世界か彼女かと選ばされるお話であり、独特の切なさと選択の尊さがある物語である。生かすために木に代わり、いつまでかは分からぬけれどまだ存続する世界で、遺された思いを胸に。その道に祝福を。 うん、とても面白かった。
  • ほたる
    2025/10/11
    犠牲によって世界は救われる。その犠牲が身近な人で、それも大切な人であったとしたら。世界観の設定から登場人物の心情を描き、物語は進行していく。この状況によって生み出された気持ちは、機械的なものなのか、それとも心の底から湧いてくるものであるのか。
  • MoriTomo
    2025/10/13
    ネタバレあり
    死の雨によって汚染されていく街でヒロインと再会することで始まる物語で、辛い過去と現実を前にした主人公たちの葛藤と決断が強く心に残りました。 突き付けられる運命の残酷さや家族への後悔が胸に刺さり、読み進めるほどに選択肢が狭まっていく展開が切なかったです。 登場人物それぞれが抱える背景が明かされていくにつれて苦しさが積もりますが、終盤の2人の描写とラストの余韻が印象的で、誰かの犠牲によって救われる世界の儚さを痛感させられました。
  • リク@ぼっち党員
    2025/10/11
    ネタバレあり
    この世は誰かの犠牲の上で成り立っている。大切な者かセカイか。二者択一のセカイ系。世界に『黒曜雨』が降り注ぎ、人類の生息圏がジワジワと侵食されてる世界で、唯一の安全地帯は元人間の大樹の元。自分の大切な人じゃないならありがとうで終わるけど、それが大切な相手なら冷静でいられるわけがない。対応は違えど、全員が抱える葛藤がツラかった。そこで下した夕妃の選択は美しいものだったと思う。あと地球の自浄作用で人間が滅ぼされるという考えはわからんではない。その時どんな選択をするのか、難しい問題に切り込んでいるのが良かった。