絵画の住人
発売日 :
2012/09/25
国分寺駅近くの不思議な画廊では、美しき絵画が命をもって動き出す――。
国分寺駅から徒歩数分のところに、まるで人の目から隠れるかのように建つ画廊がある。名画の複製ばかりが飾られている、その小さな画廊には、ある特別な秘密が隠されているらしく――。 高校を中退し、その場しのぎのバイトで食いつなぐ青年、諫早佑真。ある日、この世のものとは思えぬ美しい少女に導かれるように、AOKI画廊へと足を踏み入れる。絵画には興味のない彼だったが、画廊のオーナーから頼まれ、雇われ画廊主を務めることに。しかし、働きはじめた佑真は、すぐあることに気づく。 ――この画廊の絵、生きているんじゃないか……!?
- レーベル: メディアワークス文庫
- 定価: 627円(本体570円+税)
- ISBN: 9784048869027
メディアワークス文庫の新刊
みんなのレビュー
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うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)2013/01/0666ひょんなことから1週間だけ雇われ画廊主となることになった佑真でしたが、そこで取り扱っている絵は本物ではなく全て複製ということだった。変わっているのはそれだけではなく、画廊に飾られている絵もどこかおかしくて・・。「騙王」とは全く雰囲気が違う話でしたが、こちらはこちらで面白かったです。何よりも新しい一歩を踏み出した佑真のその後を追ってみたいです。同じような設定のものとして柏葉幸子さんのおばけ美術館シリーズを読んだことがあるのですが、あちらが動だとしたらこちらは静といった感じでした。★★★★
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アポトキシン2024/08/0330ネタバレあり雇われ画廊主の佑真は、絵の知識は皆無に等しいが、絵の中の人物と会話ができるという特殊な才能を持っている。 佑真はその才能を活かして、時に人助けをしたり、また時には真作か贋作かを鑑定したりする。しかし、佑真は気の毒なくらいに人からとことん好かれない。それどころか、濡れ衣を着せられ、疑われ続けた人生だ。 最後に、欲を言えば佑真と従業員が和解するシーンが欲しかったが、絵の中の人たちが佑真の味方になってくれたから、それはそれでほんのりハッピーなのかもしれない。
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さばかん2012/11/0129思っていたよりも毛色が違っていた。 そして意外と面白かった。 絵を擬人化するのはなかなか楽しい。 もっと読みたいと思った。
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よっしー2023/10/1723図書館で見かけ、手に取りました。読み終わり、いざ登録しようとするとまさかの再読。全然話を覚えてませんでした…。主人公の過去が重く、含みのある表現が多いのですが、それが最後まで明らかにはされていないのが気になります。ただ、絵画も含め、人間も本物か偽物か…が重要ではない、その中でどう生きるかが大事なんじゃないのかなと感じました。
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☆キコ☆2015/04/0722面白かったです。文が好みなのかスラスラと読め、また個性あるキャラ平蔵や少女の言葉に魅了され…。怒れるメディアの時間が止まったままの男の子や画廊主の役割、絵に翻弄されるという表現が心に染み込んできました。そして、何気に出てくる佑真のいい加減な友人。好きです(笑)続きが気になります。
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