天体少年。 さよならの軌道、さかさまの七夜
発売日 :
2012/09/25
その日あたしは、メビウスの輪のような、永遠の約束を交わした――。
天文学者の父親とともに遠く孤島に暮らす少女・海良。彼女が闇夜の草原で出逢ったのは、星空から降りたった不思議な少年で――時を遡る少年とすれ違い続ける少女の、たった七夜のリバース・ラブストーリー。
- レーベル: メディアワークス文庫
- 定価: 605円(本体550円+税)
- ISBN: 9784048869973
メディアワークス文庫の新刊
みんなのレビュー
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へくとぱすかる2017/01/2482この前読んだあちらは日常。こちらは宇宙スケール。さて読み終わって、いずれも捨てがたいものがあると思った。行き方の差異はあっても、優劣ではないと思うし、同一の仕掛けであっても、作品によって、こんなに感触が異なるのかと。作品から受けるニュアンスやクオリアは、実は表紙が的確に物語ってくれている。パラドックスをめぐる辻褄が、ラストでぴったり合っていて感動ものでした。
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ちはや@灯れ松明の火2016/10/2780満天の星が夜明けに溶けるようにあなたは消えてゆく。遥かな約束だけを残して。一つめの夜、さよならから始まった出逢い、風にさざめく草原と心。好奇心から憧れへ、夜ごとふくらんでいく想い。昨日から明日へ、明日から昨日へ、ふたりの今がかさなる四つめの夜、地上を埋める人工の星空は眩くもかなしくて。深淵の闇を映した瞳、伝わり来る孤独と絶望。日ごといとしさもさびしさも募るのに、あなたはさかさまに遠ざかる。七つめの夜、遥かな約束を交わそう。輝きわたる夜空の星を結んだメビウスの輪に、永遠に終わらないふたりの七日間を託して。
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Shinji2015/04/2368ネタバレあり天体っていうか天文学っていうか… ぼーっと夜空見るのは好きだけど読み始めは ちょっと難しいかなって思ったよ。でもそれは設定上の話で内容的には割と知られていることだったね。時間の逆行っていうのが最初は理解できなかったけど 5日目くらいにはほぼ完璧に理解できた!タウの説明ってよりは、海良の気持ちが分かったからだけどね。うん!永遠ってより 永劫の方がしっくりくるよ、切ないけどね…
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た〜2012/09/2861基本設定が「時尼(じにい)に関する覚え書」(梶尾真治 著「恐竜ラウレンティスの幻視」に収録されている短編)そっくりだな、物語としては全く別物だけれど。1991年発行の本だから入手困難だろうけれど、この本を読んで好印象を持った人にはぜひ一度読んでほしい
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Shinji2015/04/2559ネタバレあり再読。 と言っても「第七夜」から“さかさま”でね! 逆行しても最初はミラ目線なんだけど、「第四夜」を過ぎたら いつの間にかタウ目線に…! タウにとっての最終日(ミラ初日!)で、タウが哀しまなかった意味が すべて分かったよ。パラドックスでかもしれないけど、たとえ2人の流れが潰えたとしても7日間が過去未来永劫に続くんだね。何億年と肩を並べるくらいにね!
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