きじかくしの庭
発売日 :
2013/02/23
第19回電撃小説大賞〈大賞〉受賞作!
高校生の少女たちが、涙を流し途方に暮れる場所は、学校の片隅にある荒れ果てた花壇だった。そしてもう一人、教師になり6年目を迎えた田路がこの花壇を訪れる。“悩み”という秘密を共有しながら彼らは……。
- レーベル: メディアワークス文庫
- 定価: 627円(本体570円+税)
- ISBN: 9784048914154
メディアワークス文庫の新刊
みんなのレビュー
-
おしゃべりメガネ2013/03/15186現代の学校(学園)生活を象徴しているかのような作品でした。モンスターペアレンツやら体罰、いじめやら本当に今の学校って色々と大変になってるんだと思います。そんな中で「教師」というお仕事は、より厳しい現状にあるんだろうなと痛感します。そんな風潮を読みやすく、サラッと伝える文体に作者さんの潜在能力みたいなモノを感じずにはいられませんでした。「こういう先生なんていない」となるか「こんな先生がいいな」となるか、自分には正直見当もつきませんが、現代は「熱血」なんてカラーは残念ながらそぐわないのかもしれませんね。
-
さてさて2022/09/28180『見ている方が恥ずかしくなるくらい、痛いくらいの若さは、どこか羨ましかった』と青春を駆け抜ける女子高生たちの姿を見るアラサーの教師・田路宏昌の六年の日常を見るこの作品。そこには、それぞれの悩みを抱える生徒たちのまっすぐな生き様が描かれていました。そんな生徒たちを見守る田路の姿が描かれるこの作品には”アラサー”の今を生きる読者への温かい眼差しを感じるものがありました。”一生投稿者だろうと腹をくくったら、なぜかあとがきを書くことになり、とても緊張しています”とおっしゃる桜井さんの思いに溢れるデビュー作でした。
-
初雪ハロー2019/03/09145面白かったです。私も同じ体験をしたことがありました。 オススメの1冊です。
-
黒瀬2018/10/29142作品のテーマや構成を考えるとライト文芸ではなく、一般文芸で出すべきだったかも? 恋人との岐路を迎えたおじさん一歩手前の高校教師が問題を抱えた女子高生らと学校の花壇を通じて秘密を共有する物語。 きじかくしの意味は本編をご一読あれ。物語内で1年単位の時間経過が描かれた連作短編ですが、それぞれの章の主要人物である生徒が後の章でも出て繋がってくるのが王道だけれど個人的に大好きです。
-
おしゃべりメガネ2019/03/041386年ぶりの再読です。作者さんの『塀の中の美容室』を読んで、また本作を読み返したくなり手にとりました。やる気のない高校教師「田路」はなんとも不思議な雰囲気の先生で、熱血漢はまるでなく、ふらふらと過ごしています。学校敷地内にあるちょっとした花壇をあるキッカケから手入れをするコトに。そんな「田路」とかかわる3組の生徒のそれぞれの悩みを彼なりに解決へと導いていきます。ライトノベルの読みやすさは抜群でアッという間に読了してしまいました。いつの時代も高校生の頃の'悩み'は恋愛、友情、家庭環境、そして進路ですよね。
powered by
レビューをもっと見る