人質のジレンマ 下
発売日 :
2013/08/24
目の前の人質を助けるために、何かを犠牲に出来ますか?
人質ゲームが始まってから一週間。高城幸介が正義感から起こした行動は失敗に終わり、一向に解決しない状況への不満は高城へと向けられていく。残る九十三人の人質を救うため約七百人の生徒達が選んだ行動とは?
- レーベル: メディアワークス文庫
- 定価: 649円(本体590円+税)
- ISBN: 9784048919975
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みんなのレビュー
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星野流人2013/09/0117数ある土橋作品の中でも屈指の後味の悪さを誇る作品。しかしながらゲーム性のおもしろさのあった「演じられたタイムトラベル」や極限状態での心理状態の描き方に上手さのあった「生贄のジレンマ」に比べると、どちらも今ひとつ決め手に欠ける印象。今までのMW土橋作品の内容よりもゲーム性が薄く、ただ単に閉鎖空間が出来上がってしまっただけに近い状況になってしまったのが残念。ゲームを通して心理状態を暴いてこその土橋さんだと思うのです。意表を突かれたオチは、ううむ、ズシリと重いですね……。 7/10点
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ヤスさん2015/12/3114ネタバレあり上下巻一気読み。クローズドサークルって言っていいのか、別にミステリではないけれども、閉じられた特殊な学校という環境で多くの選択を迫られる。追い詰められた人の悪意と狂気と最後の良心を群集心理で煮込んだ闇鍋みたいな作品。キャラが個性的で思考が読めない奴が結構いたりして、見えないって点でも闇鍋っぽい。駆け引きを楽しむようなゲーム性は珍しく薄い。一歩引いたところから、事態の動きを観測するような目で今回は読んでいた。ネックはやっぱり個々のキャラがたっているのに、何故か性格が読めないところかな(私がバカなだけ)。
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coco夏ko10角2013/08/2512生贄になる10人は誰なのか?ジャックは誰なのか?Xは?と色々あったがなんとか終了。それよりも最後の最後が「あら」といった感じ。人質の立場が強くなったり弱くなったり…。今回のゲームでは最初から最後までいい人だったり正義でいられた人がいないのがリアル。
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ササキマコト2013/09/089う~む……ちょっといつもと毛色が違うかな(--?どの時点でルール変更(隠れルール発覚)が入るかな~と思いつつ読んだのですが、特にそんなこともなく。人のエゴや狂気、それに伴って起こる行動の描写を中心に据えたのでしょうが、その分ゲームとしての面白味はイマイチでした。良い意味で期待を裏切られたのは間違いないですけどね。全員生還ルートを誰も探し始めないのは新鮮でした。欲を言えば、もう少しゲームと「ジレンマ」の部分を作品に盛り込んで欲しかったです。
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青井2013/09/079犠牲を出しながらもそれなりに落ち着くいつものと違って、今回はえらいバッドEDだ。いつもに増して「反吐が出る」話でした。表紙の鳥籠の中に鳥籠が…は人質と傍観者の立場の入れ替わりの繰り返しを表してるのか。一番アレだったのは人質たちが可憐の本意を勝手に都合のいいように取り替えていたこと。可憐が一番怒っているのは女子生徒を追い込んだ教師じゃなくて、恋人をいじめた&それを見て見ぬ振りして何もしなかった傍観者だと思うんだけど、それをさっぱり綺麗にスルーしてたのが人間のエゴを感じるわ…。
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