男子高校生で売れっ子ライトノベル作家をしているけれど、年下のクラスメイトで声優の女の子に首を絞められている。 1 Time to Play

発売日 : 2014/01/10
高校生ラノベ作家が主人公だが、彼の現状はなんか大変なことに―――。
僕は、硬い床に背中をつけて横たわっている。水色で薄手のセーターを纏った彼女の両腕が、僕の首に伸びている。彼女の手は、とてもとても、冷たい。それは、まるで、鎖のマフラーでも巻かれたかのようだ。照明からは逆光になるので少し薄暗い、彼女の顔。彼女は泣いている。見開かれた大きな瞳から、セルフレームの眼鏡のレンズ内側にぽたぽたと涙を落としている。 「どうしてっ!?」。叫び声と共に、さらに強烈な力が僕の首に加わる。まるで痛くはない。そのかわり、頭の中で――、真っ黒な墨が一滴、音もなく落ちた。その黒い染みは、じんわりと広がり始める。 「どうしてっ!?」。彼女が再び叫んだ。どうしてこんなことになったのか――それは僕が知りたい。
  • レーベル: 電撃文庫
  • 定価: 649円(本体590円+税)
  • ISBN: 9784048662734

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みんなのレビュー

  • スズ
    2018/08/22
    電撃文庫でデビューした男子高校生と、アニメ化される事になった彼の作品に出演する声優の少女が紡ぐ、小説を書いてみたいと考えている人には超オススメのお仕事小説。プロット出し→キャラ設定/執筆→打ち合わせ(編集者チェック※ここで作品自体をボツにされる事も)/原稿直し→再提出→校閲/著者校正→再校閲&再著者校正→あとがきや著者近影&著者紹介文の作成→イラストチェックまでの一冊のラノベが完成するまでの流れが詳細に説明されていて非常に面白かった。この作業をしながら25ヶ月連続刊行を成し遂げた鎌池先生はやはり化物か…。
  • shin
    2014/01/21
    高校生ラノベ作家の主人公がアニメ化した自分の作品に出演する声優のクラスメイト似鳥に首を絞められて、会話を思い出していくお話。どうして?は分からないまま進むけど、ヴァイス・ヴァーサが架空では勿体ない位面白そうだったり、2人の問答を通じ語られる電撃文庫の架空の作家の実態は現実的に感じられ、自分も含めラノベがどう作られるのか、どんな人が書いてるのか少しでも気になった事があるならより興味深く読める印象。ネタ的な入れ込み具合のファンレターと、カバー裏の遊びは可笑しかった。状況に潜む背景がとても気になったお話でした。
  • よっち
    2014/01/11
    タイトルの状況で、なぜそうなったか走馬灯のように回想しているお話。ラノベ作家である主人公のクラスの後ろの席の娘は、実は書いた小説のアニメ作品に出演する声優。お互い秘密にしていて、普段は学校で一言も口を利かないけれど、毎回仕事に向かう電車で、電撃作家になるまでの話を楽しそうに聞いてもらえるのは、友達のいない主人公からしたらやっぱり嬉しいですよね。なのにそれが何故そうなってしまったのか。ここまでには書かれていなかったので、下巻の展開に期待ということで。小ネタ的に大量投下されているラノベ作家話も面白かったです。
  • ひめありす@灯れ松明の火
    2014/11/30
    読書子なら誰でも一度は想像するだろう「もしこの話の中に自分が登場したとしたらどう動きたいのか」。そして、同じ位に想像した事のある人がいるだろう「もし私がこの物語の作者であったなら」。そして「もし私が作家になったならば」。これはそれを更に一つ突き抜けて「映像化されて更にそのキャストの一人がクラスメイト(年下)であったなら」というお話。続きも読んでくれますか。その言葉の裏にはいつだって「続きを読ませてくれますか」という言葉が存在する。鳥が先か卵が先か。作家が先か読者が先か。ヴァイス・ヴァーサ。逆もまた、真なり
  • 謡遥
    2014/01/11
    『世の中には、あとがきに己の活躍の場を見つけてしまい、毎回趣向を凝らして頑張る作家さんもいるが―――、』それなんて時雨沢?なお話。作者の内輪ネタというのでしょうか、内部事情が書かれてて小説をどう書くか、というの(の一例)が良くわかりました。出来るかどうかはまた別。僕としてはある意味これはミステリなんじゃないかと思います。上巻に伏線を張って下巻で何故タイトルのになったのか、走馬灯を見るに至ったか。という挑戦状。流石時雨沢さん全然分かんねえ(笑)。あとあとがき最後はどう見てもただのフリです本当にありがとう。