ある小説家をめぐる一冊
発売日 :
2016/12/13
この小説は、現実になる――若き小説家をめぐるビブリオ・ファンタジー
「潮時、か」田中庸は電車の中で独りごちた。出版社で働き始めて6年目。大御所作家を怒らせ、スランプ中の若き女流作家・些々浦空野に担当替えとなったのだ。
一度は編集者としての未来に見切りをつけようとした庸だが、空野のデビュー作に衝撃を受け、新作企画を持ちかける。しかし空野は“書いたことが現実になるため執筆できない”と言い出して……。
そんなある日、庸は空野が描いた物語をなぞるように、奇妙な事件に巻き込まれる。
若き小説家をめぐるビブリオ・ファンタジー、開幕!
一度は編集者としての未来に見切りをつけようとした庸だが、空野のデビュー作に衝撃を受け、新作企画を持ちかける。しかし空野は“書いたことが現実になるため執筆できない”と言い出して……。
そんなある日、庸は空野が描いた物語をなぞるように、奇妙な事件に巻き込まれる。
若き小説家をめぐるビブリオ・ファンタジー、開幕!
- レーベル: 富士見L文庫
- 定価: 660円(本体600円+税)
- ISBN: 9784040721187
富士見L文庫の新刊
みんなのレビュー
-
おかむー2017/01/2270個々の描写などは悪くないのだけれど、全体としてはどこか噛み合わないちぐはぐな印象で惜しい。『もうすこしです』。書いたことが現実になる女性作家・些々浦(ささうら)空野の作品に惚れ込み、押しかけ担当となった編集者・田中の視点で物語は展開する。オカルトチック部分やコミカルなやりとりは好感触なのだが、田中の設定「やくざじみた強面」が作中では活かされず、ちょっと行き過ぎな世話好き好青年でしかなかったり、ゴシック調の表紙イラストがやはり作中の雰囲気にそぐわなかったり。全体に仕掛けや設定がバラバラに主張している感触。
-
佐島楓2016/12/2859「書いたことが現実になる」力を持つ小説家と、その担当編集者の物語。幻想小説のような趣や、物語の中に没入するにつれ時間や現実を忘れてしまうあの感覚がよく伝わってきて、良いな、と思った。次回作も読んでみたい。
-
ダージリン2017/01/2733編集者の田中さんが素敵過ぎる~! 旅館の朝ご飯って(笑)。空野の小説世界に入り込んでしまう描写も良かった。でも現実に起こるのはちょっと怖い。田中さんと空野のコンビはとても好きなのでぜひ続きをお願いします♪ 冷静な田中さんを感情的にさせる大澤の存在も気になります。
-
フキノトウ2017/03/1529ネタバレあり強面だけど、根は真面目で家事万能の編集者・田中がある小説家・空野を担当し出してから、物語のなかに入っていくような不思議な感覚を味わうようになった場面は、小説と現実との境が分かりづらく慣れるまで少しかかりました。それにしても、家事万能でご飯までちゃっと作れちゃう田中が好きになったあたりから、グッと読みやすくなりました。旅館の朝御飯...羨ましい (笑)。
-
悠2025/01/2319初読みの作家さんです。面白かったです。
powered by
レビューをもっと見る