カサンドラ

発売日 : 2018/02/24
昭和28年夏、男たちの壮絶な諜報戦。日本の未来を問う、渾身の衝撃作!
昭和28年、夏。かつて日本海軍の空母だった豪華客船・アグライア号が改造後初の航海に出る。
大臣の護衛として乗船した入江秀作は、実は保安隊(現在の陸上自衛隊)情報部に所属する諜報員で、機密情報“カサンドラ”を持ち出したスパイを突きとめ、その流出を阻止するという特務を帯びていた。
船内で入江は、陸軍中野学校の同期だった佐賀の弟・道夫と十数年ぶりに再会するが、その夜殺人事件が発生。被害者はマーク中だった物理学者・波照間だった。そして第2、第3の殺人が……。
誰が敵で誰が味方か。戦後史の裏に隠された、いまだ癒えぬ傷をかかえた男たちの、壮絶な諜報戦。日本の未来を問う、著者渾身の船上サスペンス!

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みんなのレビュー

  • はるき
    2018/03/15
    武骨で硬派で不器用。ある意味、女性が理想とするスパイ小説でした。膿んでいく気持ちや、底冷えする不安や葛藤が好き嫌いを選びそう(私は好き)
  • きょん
    2018/04/17
    ネタバレあり
    シベリア抑留生活の共産化圧力とかレッドパージとか知らない事が沢山あって敗戦国の悲劇を改めて考えさせられた。現代人から見るとアグライア号の新型エンジンの正体はすぐに思いつくけれど、登場人物たちの立ち位置や考えが中々見えてこなくてハラハラした。東日本大震災を経験した日本人として彼らの願いに応えられていないような気がして仕方がない。
  • 青蓮
    2018/03/04
    戦後8年経った日本を舞台としたハードボイルドなスパイアクション。終始シリアスでハラハラさせられるストーリー展開ですが、纏め方が大変美しいです。今までの作風とは異なるジャンルですが、随所随所で桑原水菜らしさが感じられる作品です。男性向け≧女性向けな印象を受けました。スパイアクション好きな方にオススメできます。「炎の蜃気楼」が好きな方も好きになれるかも。
  • Moeko Matsuda
    2018/07/15
    勝手に「ライトノベルの名手」として認識していた著者によるあまりの骨太な小説に度肝を抜かれてしまいました。戦後の日本で、癒しがたい傷を抱える男たちの航海が始まる。出てくる奴らが一人残らず信じられなくて、もうどんでん返しに続くどんでん返しの連続で、息つく暇もない…!時代考証もどうやらしっかりされている様子で、かつテーマとしては現代社会が抱えるど真ん中なソレ。読み応え満点で大変オススメだが、そこそこ過激な暴力シーンなども含まれるので、心臓が弱い人は注意した方が良いでしょう。
  • 波璃子
    2018/04/02
    ネタバレあり
    戦後まもなくの日本。豪華客船で繰り広げられる諜報戦。息つかせぬめまぐるしい展開で、一気に読めた。戦争を生き抜いた男たちの壮絶な人生が複雑に絡み合う。最後の壁に書くシーンで深いカタルシスを覚えた。