さよなら、ビー玉父さん
発売日 :
2018/08/24
角川文庫キャラクター小説大賞〈隠し玉〉デビュー! 感動の父と子の物語
第1回角川文庫キャラクター小説大賞隠し玉が、満を持してデビュー。涙なしでは読めない、ダメな父と健気な息子の不器用な物語。
【ストーリー】
夏のある日、しがない30代男・奥田狐のアパートを訪ねてきた天使。その小さな天使は汗をかきかき顔を上気させ、曇りのない目で狐を見つめる――天使の名前は遊。離婚により離れ離れになった息子だ。突然現れた息子の登場に、狐に訪れたのは嬉しさより、むしろ得体のしれない者に対峙したときの「恐怖」だった。こうして「ダメ親父」と「天使すぎる息子」のひと夏の生活がはじまった――自分のことしか愛せないダメ男に、必要以上に気を遣う健気な息子、そんなダメ男をなぜか慕うヤンキー娘、そして、狐のすべてを知る元嫁。親子であって親子でない父と息子は、親子以上に親子な関係を模索するが……?
「アバウト・ア・ボーイ」「とんび」に続く、切ない親子の物語。
装画/柳沼行(「ふたつのスピカ」など)
クズ男のA玉/少女とサボテン/幸せのバームクーヘン
【ストーリー】
夏のある日、しがない30代男・奥田狐のアパートを訪ねてきた天使。その小さな天使は汗をかきかき顔を上気させ、曇りのない目で狐を見つめる――天使の名前は遊。離婚により離れ離れになった息子だ。突然現れた息子の登場に、狐に訪れたのは嬉しさより、むしろ得体のしれない者に対峙したときの「恐怖」だった。こうして「ダメ親父」と「天使すぎる息子」のひと夏の生活がはじまった――自分のことしか愛せないダメ男に、必要以上に気を遣う健気な息子、そんなダメ男をなぜか慕うヤンキー娘、そして、狐のすべてを知る元嫁。親子であって親子でない父と息子は、親子以上に親子な関係を模索するが……?
「アバウト・ア・ボーイ」「とんび」に続く、切ない親子の物語。
装画/柳沼行(「ふたつのスピカ」など)
クズ男のA玉/少女とサボテン/幸せのバームクーヘン
- レーベル: 角川文庫 キャラクター文芸
- 定価: 660円(本体600円+税)
- ISBN: 9784041068823
角川文庫 キャラクター文芸の新刊
みんなのレビュー
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三代目 びあだいまおう2019/10/09310ネタバレあり世のお父様方、何となく思い出しませんか?生まれし我が子を初めて抱いた時の不甲斐ないまでの自信のなさ。その力加減におののき、今母親になったばかりの妻の偉大さに涙したことを!そう!父性はもともと繊細で脆いもの。自分だけしか愛せないと宣う主人公コンは、その不器用な愛が他人にも向かっていることに気付く!別れた息子の純な言葉と眼差し、そしてキャロンの健気さが気付かせた。泣ける!親より遥かに多くを我が子は教えてくれる!世の中の全ての美しいものを集めてもかなわない。だから僕には要らないよ、親孝行❗もう充分貰ったから‼️
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ろくせい@やまもとかねよし2019/10/20264ネタバレありある種の典型なダメ男が一人称で綴る。彼の意識は利己に満ち、利他がスッポリと抜け落ちている。しかもご都合主義な自虐的で批判的でタチが悪い。元妻や友達以上恋人未満の元彼女から、手厳しく三行半を突きつけられる。しかし離れて暮らす息子はそんな彼を見放さない。自分の利己を抑えて「すき」であると露わにする。8歳の息子のこの利他は、それまでの意識で理解できない感動を誘引し、戸惑いをながらも徐々に理解する。年齢に関係なく人間は利他的なおもやりに心を打たれ、だからこそ自己形成するのだろうか。。家族に甘えるダメ男的弁明かな?
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そる2019/10/26255この感情、難しい。心当たりがないので共感ができない。男性なら共感できる人もいるんじゃないかな。キャロンの感情は女だからか理解できる。コンの様なクズ男、全部揃ってなくても一部持ってる人はたまに見かける。遊はいい子だがクズ男のコンに恋してるようだ。この2人は恋愛してる。でも叶わなくて心に穴が開いたまま。そして2人とも幸せになるのが怖い。人生、愛、幸せについてとても考えさせられる話でした。「「(前略)人間、空腹のままやったら我慢できるけど少しなにか食べてしもたら最後、もう飢えに耐えることはできへんねんやぞ」」
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いつでも母さん2019/09/26222クズでサイテーの男・コン!けれど、愛すべきコンはコンのままで、それだけは真実ー幼いときに別れた息子・遊との交流で少しずつ愛って幸せな気持ちが心を占め、遊にとっての何者かになりたかったコン。(そもそも狐って名前もどうかと思うけれど)50になり子供が産まれる遊夫婦に一緒に東京行きを提案されるが・・男の人が父親になるのはいつなんだろう。人はいつ大人になったと自覚するんだろう。そんなことを思った。『大人になるってことは、身近な大人を超えること』分かり易い言葉だ。私はまだ大人になりきってはいない。
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mariya9262020/09/18162去年のカドフェスから気になっていた本だったので読めて良かったです。思っていたより父親であるコンがクズでした。周りにいた女性は素敵というか、社会的には自立できていましたが、これでもコンのクズっぷりを救えるほどではなかったです。ちなみにここに書いているクズというのは、本文でも何度も使われていたので使っていますが、愛あるクズです。その反対に息子である遊の素晴らしさ。そりゃ父性も開花されますよね。周りにいる大人を越えた時に大人になるって言葉に納得しました。越えちゃっていいんですね。
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