本を愛した彼女と、彼女の本の物語

発売日 : 2019/09/25
「本」が生きる希望になる。 少女と一冊の本の心温まる物語。
僕は本だ。一冊の文庫本だ。書名は『ホテル・カロン』。文庫本である僕は、なぜか生まれた時から意識があった。僕は悲しい事になかなか売れず、いつか返本されてしまうのではないか――そんな恐怖を抱き始めたある花冷えの日。何の前触れもなく僕は購入され、ある一人の少女・銀河と出会った。生きる希望を見失い、ただ無気力に過ごしていた彼女は、瞬く間に僕に恋をし、僕もまた彼女に恋をした。
 これは文庫本である僕が、ある一人の少女と過ごしたかけがえのない日々の物語だ。

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みんなのレビュー

  • 三代目 びあだいまおう
    2019/11/17
    称える語彙が無さすぎて情けなくなる!1頁目から心奪われた!貪るように、待ちきれず堪えきれずに頁を捲った!ライトノベルの意義と目的を遺憾なく発揮した感動作!主人公は本!文庫本の一人称で紡がれる、読書好きの手を止めさせない感涙ストーリー!心臓病を患い未来を絶望している女子高生の手にわたった文庫本。本に興味がなかった彼女が入院の退屈に飽き読み始める!勇気と希望を得、やがて親友、いや心友と繋がる。その後の輝く人生と感涙必至の結末に心奪われぬ読者はいない❗素晴らしきかな、本読み人生!感性を鷲掴みにされました‼️🙇
  • シナモン
    2019/10/01
    購入本。最初パラパラっと読んで本が語ってる!と衝動買い。心臓病を患い将来に悲観的になっている15歳の少女が一冊の文庫本と出会い、人生を前向きに歩んでいく。その姿が文庫本の目線で語られている。「それでも僕は、久しぶりに開いてもらって幸せだった」…文庫本のつぶやき、何とかしたいのに行動できないもどかしさ…文庫本の気持ちが心に沁みる。あんなに楽しい毎日だったのに、最後は思わず涙してしまった。本にも感情がある。本を、本との出会いを、そして人生を大切にしたいと思った。悲しいけど、読後感爽やかな一冊でした。
  • 佐島楓
    2019/10/06
    本を好きな人なら人なほど初心に帰れる作品。シンプルにいいと思った。こうして想いは手渡されていく。
  • ゆなほし
    2019/11/11
    ある一人の少女銀河と、生まれた時から意識を持つ文庫本である僕が共に過したかけがえのない日々の物語。心臓に病気を持つ銀河が1冊の文庫本を読んだ事がきっかけで手術を受ける事を決意し…という所から物語は始まるが、本作は難病ものという括りではない。銀河の日常が、意識を持つ本である僕の視点から紡がれるという唯一無二の特徴があり、これがとても成功している。本なのに彼女を愛してしまい、彼女が愛した本だから彼女の傍にいられる。紡がれる銀河の日常の鮮やかさからの結末は予想に反し、本当に涙が溢れてしまう。素晴らしかった。
  • 佳蓮★道央民
    2020/09/07
    ★★★★★これは、人間目線じゃなく、「本」の視点から語られる物語でした。なんか、トイ・ストーリーを思い出しました。トイ・ストーリーもさ、玩具目線から語られるじゃない?それが、この本は本目線から語られる作品でした。私が思ったことは、もしかしたら、本にも命、魂が宿ってるのかもしれませんね。本って心が宿ってるのかもしれないね。本は売られたら凄く悲しむんだって。古本屋とかに。だから、私は、今まで通り、本が好きな人、本を大切にしてくれる人にプレゼントしようって思いました。読書好きにはとっても共感できて、お勧めです!