オーバーライト ブリストルのゴースト
発売日 :
2020/04/10
グラフィティ。それは俺と彼女の想いすら鮮やかに上書く、儚い絵の魔法――
イギリスのブリストルに留学中の大学生ヨシは、バイト先の店頭で“落書き”を発見する。それは、グラフィティと呼ばれる書き手(ライター)の意図が込められたアートの一種だった。
美人だけど常に気怠げ、何故か絵には詳しい先輩のブーディシアと共に落書きの犯人探しに乗り出すが――
「……ブー? ずっと探していたのよ」
「ララか。だから会いたくなかったんだ!」
「えーと、つまりブーさんもライター」
ブーディシアも、かつて〈ブリストルのゴースト〉と呼ばれるグラフィティの天才ライターだったのである。
グラフィティを競い合った少女ララや仲間たちと、グラフィティの聖地を脅かす巨大な陰謀に立ち向かう挫折と再生を描いた感動の物語!
第26回電撃小説大賞《選考委員奨励賞》受賞作。
美人だけど常に気怠げ、何故か絵には詳しい先輩のブーディシアと共に落書きの犯人探しに乗り出すが――
「……ブー? ずっと探していたのよ」
「ララか。だから会いたくなかったんだ!」
「えーと、つまりブーさんもライター」
ブーディシアも、かつて〈ブリストルのゴースト〉と呼ばれるグラフィティの天才ライターだったのである。
グラフィティを競い合った少女ララや仲間たちと、グラフィティの聖地を脅かす巨大な陰謀に立ち向かう挫折と再生を描いた感動の物語!
第26回電撃小説大賞《選考委員奨励賞》受賞作。
- レーベル: 電撃文庫
- 定価: 693円(本体630円+税)
- ISBN: 9784049130188
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電撃文庫の新刊
みんなのレビュー
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よっち2020/04/1056ブリストルに留学中の大学生ヨシがバイト先の店頭で発見したグラフィティ。何故か絵には詳しい先輩ブーディシアとともに落書きの犯人探しに乗り出す物語。犯人探しをする過程で出会ったグラフィティを競い合う少女ララや仲間たち。グラフィティの聖地を脅かす巨大な陰謀と、かつて「ブリストルのゴースト」と呼ばれたブーディシアが描くのを止めてしまった理由。登場人物たちのグラフィティへの熱く複雑な想いが交錯する展開でしたけど、真相にたどり着く中で明かされる過去と、葛藤を乗り越えて立ち向かうその姿にはぐっと来るものがありました。
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まっさん2020/04/1948★★★★★ 電撃小説大賞選考委員奨励賞受賞作品。正直受賞作品という肩書きに惹かれて購入したものだったので、まさかここまで自分に合うとは思っていなかった。ファンタジー要素も魔法もラブコメもない。ただただ、一人の少年と一人の少女を軸に繰り広げられる熱い物語を楽しむことが出来る。彼らは共に自らの歩みたい道を外れ、再び向き合おうともがき、苦しむ。人知れずオーバーライトすることで伝説の人となっていた少女・ブーディシアはとある事情からグラフィティを辞め、怠惰な日々を過ごしていた。そんな彼女がある日出会った日本からの→
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星野流人2024/02/1839かのバンクシーを生んだ地である、ブリストルを舞台にした「グラフィティ」の物語。反社会的な行為でありながら、街まるごとを巻き込んでしまうパワフルなアートとしてのグラフィティの魅力を、ふんだんに盛り込んだ作品でした。 ライター同士の熱量がぶつかり合う異質なアートの世界は、熱くておもしろかったです。自由気ままな猫みたいなブーディシアがかわいく、彼女が笑ってグラフィティと向き合えるラストで本当に良かった。イギリスが舞台ということもあってか会話の端々にスラングが飛び交い、なんともシャレていて読みやすい作品でした
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レリナ2020/04/2335爽快な文章にグラフィティという日本ではあまり浸透していない文化を見事に描き切った意欲作。ロックな感じをうまく表現し、芸術をここまで見事な肉付けで描き切る文章力。素晴らしい。キャラがうまくストーリーにマッチしており、冒頭のアートから始まり、最後までの話運びが好印象。キャラの心情の動き、行動、挫折、動機。全てがこの作品の完成度の高さを物語る。ラノベとは思えないほどの海外的な雰囲気を纏ったアート小説。まだ読了後の余韻が残るかのよう。イラストもこの作品の雰囲気にマッチしており、完成度が高い。是非続編を。
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みやしん2020/04/2235令和のラノベと思えないロック調な作品。傾向的には21世紀初頭くらいの電撃文庫のノリに加え、舞台がイギリスだけあってウイットにとんだ会話が軽妙。日本人視点からするとグラフィティ行為に批判的(自分も)だが、アーティストにも譲れない魂があるという事か。でもねー、作中好意的な解釈をしているけど街の代弁者を気取るのはいかがなものか。作者は娘さんがいるようで、野暮を言わせてもらえばその子の書いた絵を上書きされたり家の壁になんか描かれても上手だったら文句言わないのかな?とはいえ、物語としての熱はアツい。
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