拝啓、桜守の君へ。
発売日 :
2022/05/13
異なる時の流れを生きる、人と木花に宿る精霊による優しい現代ファンタジー
恋と友情を同時に失い、落ち込み気味だった大学生の咲は、早春の朝、近所の庭園に赴いた。純白の花を咲かせる木の傍に、佇む人影――白木蓮の精霊が、何故かため息をついている。咲は幼いころから花木に宿る精霊を視ることができた。美しい姿の精霊たちは、長い時を生き人を見守っている。
白木蓮にため息の理由を尋ねると、ある少女を捜してほしいと頼まれた。咲は昔なじみの精霊・楠と協力し、望みを叶えるため街を奔走する。やがて木精が抱き続けていた本心を知ったとき、咲の中でも何かが変わり始めていく――。
白木蓮にため息の理由を尋ねると、ある少女を捜してほしいと頼まれた。咲は昔なじみの精霊・楠と協力し、望みを叶えるため街を奔走する。やがて木精が抱き続けていた本心を知ったとき、咲の中でも何かが変わり始めていく――。
- レーベル: 富士見L文庫
- 定価: 748円(本体680円+税)
- ISBN: 9784040745367
富士見L文庫の新刊
みんなのレビュー
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よっち2022/08/0241幼い頃から花木に宿る精霊を視ることができる大学生の東平咲。恋と友情を同時に失って落ち込み気味だった彼女が、木花に宿る精霊の願いを叶えてゆく現代ファンタジー。白木蓮の少女を捜してほしいという依頼、槐の根本に埋められていたタイムカプセル、金木犀が明かす在りし日の想い、満天星が見守ってきた親子の絆、大切な相手を思い続けてきた江戸彼岸桜。積み重ねてきた伏線を回収して繋がってゆくひとつの結末も見事でしたが、周囲の人々の優しさに癒やされる中で、いつの間にか育まれていた想いを自覚する二人にもぐっと来るものがありました。
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はづき2022/07/0427ネタバレあり面白かったです。花木の木精が見える女の子が家の木の楠と一緒に皆さんのお悩みを解決していく話。最後は吉乃おばあちゃんの物語ですね。受賞されるのは何となくわかる。伏線が結構あってそれを最後で全部わかる感じが最高でした。いや〜まさか。最後の結末には驚き。姿を変えられるとかが結構鍵になってくる。表紙の2人が結ばれるのだとずっと思ってけど違ったね。まさかですよ。でも楠カッコいいね。ずっと思い続けたって凄いよ。西橋さんカッコいいよ(笑)ちゃんと恋愛もあったので良かったです。西橋さんがどんな姿なのか気になる。最後泣ける
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ころころ2022/05/2926ネタバレあり長い年月を生きた木に宿るという木精。ヒロインは幼い頃から木精が見えていたが初めて話したのは五歳の春、家の縁側にいた楠のそれだった。以来、楠は家での話し相手で、一度は町を離れたが、大学進学を機に楠のいる曾祖母の家に戻り、今二度目の春を迎えようとしているが…。 あらすじと表紙に惹かれ購入した作品。誰かを大切に思うこと、誰かに寄り添うこと、誰かに手を差し延べること、そういう思い遣りや優しさが詰まったお話。一章ごとに鼻の奥がツンとする場面があったけれど、最終章の丘のシーンではついに涙を堪えられなくなった。
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ひぬ2024/02/2421ネタバレあり木に宿る精霊達を視る事が出来る特殊体質の咲。少女を探したり、タイムカプセルを掘り起こしたりなどと精霊達から様々な頼み事を受ける中、やがて昔馴染みの精霊・楠の本心を知ることになります。なんとも優しい物語。最初はちょっと乗り切れなかったですが、咲が少しずつ立ち直っていくにつれてどんどん引き込まれていきました。曾祖母と楠の本当の関係はなんとも切なかったです。
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よっしー2023/04/2721タイトルと表紙絵にひかれて手に取りました。木に宿る精霊とお話が出来るというのは素敵ですね。木に宿るから自由には身動きがとれない、そんな彼らの心残りを解決するために奔走する咲と側で見守る楠。最初は素敵な話だなという程度の感想でしたが、次第に精霊と人では時の流れが違う事が分かり…。切ない中でもほっこりとした気持ちになる終わり方でした。
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