砂の上の1DK

発売日 : 2022/09/01
人に宿った未知存在と青年スパイ、期限付きの逃亡生活が始まった。
産業スパイの青年・江間宗史は、任務で訪れた研究施設で昔なじみの女子大生・真倉沙希未と再会する。
追懐も束の間、施設への破壊工作(サボタージユ)に巻き込まれ……
瀕死の彼女を救ったのは、秘密裏に研究されていた未知の細胞だった。
「わたし、は――なに――?」
沙希未に宿ったそれ=呼称“アルジャーノン”は、傷が癒え身体を返すまでの期限付きで、宗史と同居生活を始めるのだが――
窓外の景色にテレビの映像、机上の金魚鉢……目に入るもの全てが新鮮で眩しくて。
「悪の怪物は、消えるべきだ。君の望みは、間違っていないよ」
終わりを受け入れ、それでも人らしい日常を送る“幸せ”を望んだ、とある生命の五日間。

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みんなのレビュー

  • なっぱaaua
    2022/09/07
    ネタバレあり
    枯野瑛氏初読。とある事件がきっかけとなり産業スパイとなった江間宗史は再開した女子大生:真倉沙希未が中学生だった時の元家庭教師。沙希未の父が巻き込まれる事件によって、沙希未は研究対象である未知の存在コル=ウアダエに入り込まれてしまう。この寄生生物:アルジャーノンと宗史が逃亡生活で過ごす1LDKでの話。未知の生物によってホラーになりかねない話であるのだが、人類を学び心を開いていく姿がなんとも言えず、また登場人物たちの優しさが心地よい。最後の結末も優しさの上に成り立っていて読後感の非常に良いお話しでした。
  • 星野流人
    2022/10/27
    未知の生物に寄生された少女との、奇妙な同棲生活の物語。“アルジャーノン”と名付けられた存在が、無垢ですくすくといろんなことを吸収して成長していく様子がかわいらしかったです。きな臭いストーリー展開の一方で、そこここでのかわいらしい展開が良い清涼剤になっていたと思います。1冊の中で綺麗にまとめられている一方で、クライマックスからオチにかけてはもう少し細かくいろいろ書いてくれる方が個人的には嬉しかったかなとも思いました。闇医者の老婆と、そこで働く孫娘のナースのキャラクターがかわいくて好きでしたね。
  • よっち
    2022/09/01
    産業スパイの江間宗史が研究施設で再会した昔馴染の女子大生・真倉沙希未。 直後に施設への破壊工作に巻き込まれて始まる、人に宿った未知の存在と青年スパイの期限付きの逃亡生活。抗争の原因となった研究施設で秘密裏に研究されていた未知の細胞。沙希未の傷が癒えて身体を返すまでという期限付きで沙希未に寄生し、宗史と同居生活との中で、人としての生活を学習しながら積み重ねてゆくかけがえのない日々があって、様々な思惑が絡み合う中で唐突に迎えたその終わり、そして譲れないもののために戦い抜いた結末にはぐっと来るものがありました。
  • オセロ
    2022/09/01
    産業スパイの江間宗史が任務で訪れた研究施設で昔馴染の女子大生・真倉希沙美と再会したのも束の間、研究施設がの破壊工作に巻き込まれ、希沙美は大怪我を負ってしまい。そんな希沙美を救ったのは未知の細胞だったが、この細胞にはある秘密があって。 希沙美に宿った細胞と一体化した彼女をアルジャーノンと名付け、江間との奇妙な共同生活を通じてアルジャーノンに様々な感情が生まれる中で、アルジャーノンの身に起こる異変、謎の細胞を狙う組織とのスパイらしい情報戦。 切なくて儚いないけれど納得のラストでした。
  • のれん
    2022/09/03
    ネタバレあり
    静かな文章でテンポもゆっくりめなのに、後半展開を怒涛にする無茶な私小説語りはまさしく「すかすか」。 読んだ後から同一作者だと知ったが、その構成といい二番煎じへの懸念は納得だ。 だが、今作のアルジャーノンは無自覚故の模倣と成長には新しさがあった。 最終的に彼女もいじらしい自己犠牲心を発揮してしまうのではあるけれど、周りの人間がそんなんばっかやからと言う、これ以上ない説得力がある。 人は相互作用で、場面によって変わる。ならば、この愛を知りたい怪物に人間となんの違いがあろうか。