ファンタジア文庫の新刊
みんなのレビュー
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加藤2017/05/289ネタバレあり大森望氏の編んだアンソロジーで読んだ表題作『眠り姫』に魅了され、本書にも手を出した。結果的には大正解。すこぶる面白かった!様々なジャンルを自由に横断しつつ、レベルの高い短編を連発する作者の技量に驚く。ライトノベルという枠を越えて、傑作短編集の一つに数えられて間違いのない満足度の高さだった。前述の通り、元々読んでいた表題作もやっぱり素晴らしかったのだが、それに負けずとも劣らずの充実ぶりをみせてくれるのが、学校の図書室を舞台にした『さよなら、アーカイブ』。青春小説好きには、是非ご一読を願いたい。
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CCC2021/10/138図書館では借りなかったけれど、あと3年であとがきに近いシチュエーションだった。おしかった。内容は短編集。表題作はラストが好みだった。ほかも耽美調だったり、青春だったり、ハードボイルドだったりと粒ぞろいでバリエーション豊か。一番好きなのは『水たちがあばれる』だろうか。二転三転する物語はなかなか先が読めなかった。ちなみに全体的にラノベっぽさは薄い。あえて言うならセリフにそれっぽいところがあるが、ライトノベルと一般小説の間、やや一般小説寄りくらいの位置に思える。
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ソルト佐藤2019/07/067探偵真木シリーズを読んでみたくて、読んでみる。バラエティに富んでいて面白い短篇集。どれも、基本的にライトノベル的ではないという問題もあるけれど(笑 表題作は、やはりしんみり。と、いいつつも純愛すぎる感(笑 あと、これを見るとヴェロニカの叙述トリックはやはり、いらんかったんや!とも思ったり(笑 他には「さよなら、アーカイブ」が一番面白かった。でも、ちょっとできすぎ感。そして、探偵真木シリーズ。真木といえば「暗い落日」のシリーズの方が有名な感。本歌とり?
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klatch2015/02/195サブカルチャーを取り込んだ探偵もの、ほろ苦い青春と図書室、中世ホラー、崩壊した世界のSFサスペンス、そして表題作。ここまでのジャンルをまさか一冊の短編集で読めるとは思っていなかった。そして表題作の『眠り姫』、ページ数の割に濃いと思っていたらあとがきでJ・G・バラードの「濃縮小説」という手法を使っていると解説が。ビートルズ、ディックの引用など知っていたら面白いネタもガンガン詰め込まれているが、どの作品もとても上質で知らなくても何も問題なく面白い。ラノベと一般文芸のボーダレス化を実現させた素晴らしい短編集
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くろ2022/02/094これは20年近くになるタイム・カプセル。 12月のベロニカのシチュエーションを現代にして描かれた『眠り姫』をはじめ、種々雑多なものが詰まった短編集。そのどれもに共通して余韻がとてつもない。 ため息が漏れる。
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