下町九十九心縁帖

発売日 : 2023/06/15
孤独な青年と高慢な付喪神がその願い、叶えます――縁が紡ぐ癒やしの幻想譚
 大学生の春人には後悔していることがある。それは謝れないまま祖父が亡くなったこと。以来祖父が愛したような古い品物も、人と深く関わることも、苦手になった。
 しかし事故で古伊万里の壺を割った直後から、動物の姿をした付喪神が見えるようになる。割れた壺の付喪神・イマリに迫られ、彼の力を取り戻すため、春人は付喪神たちの願いを叶えて「神心」を集めることに。元の持ち主に会いたい、一度だけでも人の役に立ちたい、亡き持ち主の娘から本当の思いを聞きたい。奮闘するうちに、願いが春人の周りに縁を紡ぎ――。

==登場人物==

春人
人と関わるのが苦手な大学生。
イマリには下僕と見なされている。

イマリ
元・古伊万里の壺の付喪神、現・春人のスマホの付喪神。
甘いものに目がない。


春人が働くこととなった「古道具みやび堂」の孫娘。
しっかり者の高校1年生。

洋蔵
「古道具みやび堂」の店主で、桜の祖父。
初対面のはずの春人について、何かを知っているようで……。
  • レーベル: 富士見L文庫
  • 定価: 770円(本体700円+税)
  • ISBN: 9784040750002

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みんなのレビュー

  • 凜音
    2023/06/17
    ネタバレあり
    読了 古物に黒い靄を見る事のある主人公:春人は、ある日の黄昏時に今までに見た事もない巨大な黒い靄に包まれる。黒い靄から密かに聞こえる何かから逃げるように走り出した春人は靄の発生源を抱えた老人とぶつかってしまう。その結果、割れてしまった伊万里焼の壺。 そして、突如春人の目に見えるようになった動物達の姿をした付喪神。付喪神が見えるようになった少年が壺の弁償の為「古道具屋みやび堂」で働き、付喪神の御用を聞くもふもふ温かい物語。 物語の軸になる人と人とのすれ違いと、付喪神が繋いだ想いに胸が温かくなる物語でした。
  • 2024/07/19
    可愛いお話でした。付喪神がいっぱい出てきます。ハリネズミさんまで居ました笑 とても楽しく読めました。
  • 色素薄い系
    2023/10/02
    スマホの付喪神って結構なパワーワードな気がするんだけど、勝手に検索したりSNSアカウント作ったりやりたい放題だったのでいいモノに乗り換えたなイマリよ、と後半思っていた。イマリの容姿や性格が某キャラと某キャラを足したみたいな感じで既視感あったけどまぁそこは仕方ないね。まだ春人にかけられた呪いは解けていないので続きが出るなら最後まで読みたい。
  • 冬野
    2023/07/08
    付喪神のイマリと引っ込み思案な大学生の春人が、縁あって付喪神たちの願いを叶えていく連作中編。これがデビュー作ということもあって序盤は若干説明不足の感があったが、春人とイマリが人助けならぬ神助けに乗り出してからは気にならなくなった。とにかくイマリが魅力的で、春人のスマホを勝手に操作したりお菓子に釣られたりする様子が可愛い。性格は気位が高くて傲慢なのだが憎めない。物語は引っかかる点もあったけれど(親子のわだかまりがそう簡単に解けるかなど)、概ね楽しめた。続編も書けると思うので出たら読みたい。星:4/5
  • 2023/08/01
    ネタバレあり
    事故で古伊万里の壺を割った直後から動物の姿をした付喪神が見えるようになった大学生の春人。割れた壺の付喪神・イマリに迫られ、春人は付喪神たちの願いを叶えて「神心」を集めることになるのだが…。最初は人と関わるのが苦手な春人にあれこれ強制するイマリにモヤってたけど終盤は気にならなくなりました。春人、シンプルに人が善すぎる。物が想いを繋ぐ物語で私も自分の物を大切にしようって思いました。