VTuber、作家と大きなチャレンジをしてきたにじさんじ・来栖夏芽のスタンス【あなたの #チャレ活】

にじさんじのバーチャルライバー(VTuber)兼小説家という唯一無二の活動スタイルで多忙な日々を過ごす中、彼女はどんなチャレンジに臨んでいるのだろうか?
1ヶ月に1回ぐらい、どこかへ旅行に行きたい
――今、来栖さんが新たにチャレンジしていることやチャレンジしようとしていることを教えてください。
来栖夏芽(以下:来栖):ライバー活動と執筆活動で、スケジュールがパツパツになりがちなのですが、プライベートでは、できたら1ヶ月に1回ぐらい、どこかへ旅行に行きたいと思っています。やっぱり、写真などを通して見るのと、自分の目で見て、空気を感じたりするのは違うと思うので。実際に行って、その場を体験してみたいと思っています。
――2025年も半分過ぎましたが、最近はどこかに行きましたか?
来栖:先日、(宮城県の)松島へ行きました。最近『ざつ旅-That's Journey-』(著:石坂ケンタ/電撃コミックスNEXT)という漫画にハマっているんですよ。アニメ(2025年4月~6月放送)にもなっている作品なんですけど、主人公の鈴ヶ森ちかさんが旅行していた松島が気になって、聖地巡礼しちゃいました。鈴ヶ森さんの大きなパネルの写真とかも撮ったし、鈴ヶ森さんが食べていた牡蠣も食べました(笑)。
――完全に『ざつ旅』ファンですね。
来栖:めちゃくちゃファンです。長く続いてほしいですね。
――その他、気になっている場所はありますか?
来栖:北陸方面にあまり行ったことがないので、美味しいお米を食べに新潟にも行ってみたいです。あとは金沢とか。瀬戸内も通り過ぎたことしかないので、ゆっくりと訪れて、魅力を再発見していきたい。香川でうどんも食べたいです。
――「食」も来栖さんの旅の大事な要素なのですね。では、ライバーや作家としてのチャレンジについても教えてください。
来栖:ライバー活動だと、今までわりと引きこもり気味だったので、もう少し外に出て周りのライバーさんともっと関わっていきたいという気持ちがあります。あと、一人で完結できることで言えば、歌方面の活動を少し頑張っていきたいです。
――そう思うようになったきっかけがあれば教えてください。
来栖:にじさんじの企画や大型コラボに参加したとき、周りが初めましての人ばかりで、ちょっと肩身の狭いことがあるんです(笑)。
――しかし、5月に開催された大型コラボ「にじさんじマインクラフト聖地占領戦」では、優勝した南チームで物資の補給係を一手に担う大活躍でした。
来栖:ありがとうございます。でもあれは、参謀のひすぴ(北小路ヒスイ)ちゃんがしっかり役割分担をしてくださったおかげなので。『占領戦』では初めましての人とも結構お話ができて、こんな感じの人なんだなってことを少しでも知られたのが嬉しかったです。
――そういった経験をさらに増やしたいわけですね。歌に関してはなぜですか?
来栖:最近、にじさんじさんがライブの方にもすごく力を入れていることを感じていて。だったら、私も少しでもできるようになりたいなという気持ちです。
――どちらもライバー活動の幅を広げることにも繋がるチャレンジだと思うのですが、具体的に目指している将来のライバー像などはありますか?
来栖:う~ん、どうなんだろう……? 我々みたいな表に立つ界隈って、2年後、3年後がどうなっているか、本当にわからないなって思うときがあるんです。だから未来のことをすごく考えるというよりは、いったん目の前にあることをちゃんとやっていけたらいいな、という気持ちの方が強いです。そうすることが、たぶん未来にも繋がっていくのかなと思います。
――執筆活動に関するチャレンジについても教えてください。
来栖:ふとした時に生まれて、いつか作品で使おうと思っているキャラクターたちがいるんです。落書きみたいなイラストに、少しメモ書きしている程度のものですが。みんな可愛い子たちなので、どこかで活躍させてあげたいという思いがあります。
――作家としての目指す未来像などはありますか?
来栖:作家としても、やっぱりまずは目の前のことからやっていきたくて。今、書いている『人外教室』シリーズを納得いく形で締められたらなと思います。
私を助けてくれた出版業界に恩返ししたいと思った
――来栖さんの公式プロフィールには、「興味のあることには何でも挑戦してみようと思い、配信を始めた」と書かれているのですが、元々新しいことには気軽にチャレンジできるタイプだったのですか?
来栖:物によるというか、他の人を巻き込むことに関しては違うのですが、一人で完結できることに関しては、すごく気軽にとりあえずやってみるタイプです。だからちょっとだけやってみた妙な趣味などが多くて。例えば今、私の部屋の見える範囲にエレキギター、アコギ(アコースティックギター)、カリンバ、ピアノ、リコーダーが2本、ハーモニカがあります(笑)。
――すごい数の楽器ですね。にじさんじのオーディションを受けたときも、新しい楽器を始めるくらいラフな感覚だったのですか?
来栖:はい。オーディションに応募したときは、配信機材を1つも持っていなくて。オーディション用の動画は、ノートパソコンの内蔵マイクで録音しました。配信のことは何も知らない状態で応募し、オーディションの1ヶ月後ぐらいにデビューしたので、本当に何も分からないまま、世に出てしまったんです(笑)。
――では、作家としての活動を始めた時も気軽な挑戦の一つという感覚だったのでしょうか? 配信の中で書いた短編小説が、現在の担当編集者の目に留まって声がかかったそうですが。
来栖:たぶんこれまであまり話してこなかったと思うのですが、私は学生の頃、学校にあまり行かず、図書館にこもっていた時期があったんです。その時期、書籍にすごく助けられたという思いがあって。今の私は(にじさんじの)ライバーという変に目立つ立場じゃないですか(笑)。だからそういった方向から、私を助けてくれた出版業界に恩返しできたらなと思ったんです。
――先ほど、まずは目の前のことを見ているというお話もあったのですが、ぼんやりとした理想というか、最終的にこんなライバーや作家になりたいといったビジョンもないですか?
来栖:何を目指しているんだろう……う~ん、安らかな老後?(笑)
――ちょっと行き過ぎかもしれません(笑)。もう少し前だとどうでしょう?
来栖:難しいですね……でも、ライバー活動をはじめてからは、ずっと今が最高だと思っていて。いつも『この最高は更新できるのかな?』と思うのですが、更新し続けていてびっくりしているんです。まだ想像が現実に追いついていないのかもしれません。
――最高を更新し続けているのは、来栖さんのチャレンジが成功し続けているということでは?
来栖:自分ではそこまで自信満々になれないんですけど(笑)。ただ、興味のあることには、気軽に手を出してきたからこそなのかもしれません。よく言われる言葉ですが、宝くじは買わなきゃ当たらないので。
――仰るとおり、少しでも行動することがまず大事な気がします。
来栖:他の人に迷惑がかからず、自分で完結することなら、とりあえずやってみるのはすごく良いことだと思います。もし何かあっても、自分がちょっとしょんぼりするだけだと思うと、かなり気楽ですからね。
――チャレンジすること自体が苦手な人は、そういったスタンスでまずは自分だけでできることから、始めるのも良いかもしれませんね。
来栖:そうですね。チャレンジするにはやっぱりエネルギーが必要だし大変なので、自分だけでもできる小さなチャレンジから始めていくのは、すごく良いことだと思います。成功体験を積んでいくことも大事だから、まずは小さなことから成功体験を積んでいくと、いろいろなことがやりやすくなるかもしれません。

来栖夏芽(くるす・なつめ)/にじさんじ
2019年12月に「にじさんじ」のバーチャルライバーとして活動を開始。執筆やイラストなど創作活動全般が大好きで、Minecraftのゲーム配信中、にじさんじ内企画において図書館に寄贈する小説を書いたことをきっかけに、2022年2月に作家デビュー。
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