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学生の君に読んで欲しいライトノベル ―ほんの少しだけ、世界の見え方が変わる本―

2025/06/11
学校図書館の日
 6月11日は「学校図書館の日」。1997年に学校図書館法の一部改正が施行され、12学級以上の学校に司書教諭の配置が義務化されたことを記念して作られたそうです。普段本を読まない学生さんも、手に取る機会ができ読書が楽しかった方もいるのではないでしょうか?

そうなんです、面白い本は沢山あるんです~! ということで、学生のキミにおすすめしたい、読んだらほんの少しだけ、世界の見え方が変わる本をラノベ紹介VTuberのサキイカスルメさんに紹介していただきました。 

電撃文庫 『キノの旅 the Beautiful World』 著者:時雨沢恵一/イラスト:黒星紅白

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どの国が好き? 自分だったらどうするだろう? 考えてみて欲しいな。

 旅人キノと言葉を話す二輪車エルメスが、色々な国を旅していくファンタジー短編連作。図書館や学校の図書室にも置いてあることが多く手に取りやすい名作ライトノベルです。シリーズが続くと共に、他にもメインとして語り手になる登場人物が増え、お話のバラエティも豊かになっています。学生さんに読んで欲しいライトノベルを考えた時に、まず頭に思い浮かんだのがこの作品でした。

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 「世界は美しくなんかない。そしてそれ故に、美しい」1巻のプロローグ前の一文です。どうでしょう、ワクワクしませんか? 美しくないのに、それ故に美しいってなんなんだろうと気になりませんか? キノの旅を読み進めていくと、この最初の一文の意味をそれぞれが考えていくお話になると思っています。

 キノの旅では色々な国がでてくるのですが、かなり極端な思考や行動の人々の住む国が多く、一見わたしたちがいる現実からは遠いように見えます。しかし、よくよく考えるともっとやんわりではあるけれど、どこか周りや自分自身にも重なる部分はあるなとも思えてきて、もしも自分だったらどうするだろうと考えたりするのも面白いです。ここが学生さんにおすすめしたい一番の理由です。

 キノは旅人であり、どこか国の人たちと一線を引いた接し方をするので、読んでいて客観的に冷静に国の人たちを見ることができるのも素敵だなと思います。好悪の感情があまり強くないキノが主人公だからこそ、落ち着いて深く考えることができるのではないでしょうか。短編連作形式は移動中なども読みやすいのも良いですね。とにかく面白いのでぜひ読んでみて、あなたはどの国が好きか、国の人々に対してどう思うか考えてみてください!



ファンタジア文庫 『君のせいで今日も死ねない。』 著者:飴月/イラスト:DSマイル

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気持ちを否定しない、寄り添いを感じる優しい作品。

 完璧美少女で密かに憧れていた少女が飛び降り自殺しようとしているところに遭遇し、なんとか引き止めたくて海へ行こう! と誘い始まる青春と学生生活のお話。タイトルの死という言葉、読み始めるとすぐに出てくる自殺という言葉、どちらもとてもショッキングな言葉かもしれません。でも、わたしはこの作品を学生さんにこそぜひ読んで欲しいと思います。

 このお話は、死のうとしていたヒロインに話しかけるところから始まるのですが、なぜ死を選ぼうとしているのかを論じるものではないんです。

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 せっかくなら海に行って遊ぼう、明日は違うもので遊ぼう、死にたくならない一日をたくさん積み重ねていこう。人が死にたい理由を決して否定しない主人公が語り部だからこそ、最初の始まりからは考えられないくらい2人が仲良くなっていく過程や楽しそうに過ごしていく日々が、とても優しい青春と恋のお話になっています。もし学生の時に読んでいたら、自分も救われた気持ちになれたんじゃないかなと思ったんですよね。あなたの気持ちを否定するわけではなくて、それでも楽しいことだってあるかもしれないという優しい寄り添いを感じます。

 2人の恋の行方が気になる、ラブコメとしても会話劇が楽しい作品です。ヒロイン視点もあり、そこで描かれる乙女心も可愛らしいです。女の子にもぜひおすすめしたいところ。この作品を読んでどんな風に感じたか、ぜひ聞いてみたいですね。



カドカワBOOKS 『魔法使いの引っ越し屋 勇者の隠居・龍の旅立ち・魔法図書館の移転、どんな依頼でもお任せください』 著者:坂石遊作/イラスト:いちかわはる

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優しい別れは救いでもある。別れ方は大切と教えてくれた作品。

 凄腕魔法使いの主人公ソフィが、色々なお引っ越しを手伝って別れや始まりを見守るファンタジー。はい、大人であるわたしサキイカスルメが引くほど泣いた作品を持ってきました。

 学生さんには、家族・友人・愛するものへの切なさもある優しい出会いと別れに対してどう思うのかを考えてみてほしいです。学生さんの年齢だと、全員ではないですが別れの経験はあまりない方が多いのではないかと思います。卒業が大きな別れのポイントですかね。このお話では今生の別れ、長い期間の別れが描かれます。生きていくと出会いより別れの方が多くなってくるのかなとも思います。別れは悲しいだけのものではなくて、新しい始まりでもある。優しい別れは救いでもある。別れ方って大切だよね。わたしはこのお話でそれを感じました。あなたがどう感じるのか、よければ聞かせてくださいね。

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 せっかくなら海に行って遊ぼう、明日は違うもので遊ぼう、死にたくならない一日をたくさん積み重ねていこう。人が死にたい理由を決して否定しない主人公が語り部だからこそ、最初の始まりからは考えられないくらい2人が仲良くなっていく過程や楽しそうに過ごしていく日々が、とても優しい青春と恋のお話になっています。もし学生の時に読んでいたら、自分も救われた気持ちになれたんじゃないかなと思ったんですよね。あなたの気持ちを否定するわけではなくて、それでも楽しいことだってあるかもしれないという優しい寄り添いを感じます。

 2人の恋の行方が気になる、ラブコメとしても会話劇が楽しい作品です。ヒロイン視点もあり、そこで描かれる乙女心も可愛らしいです。女の子にもぜひおすすめしたいところ。この作品を読んでどんな風に感じたか、ぜひ聞いてみたいですね。

 いかがでしたか? ファンタジー、青春ラブコメ、SFなど様々な種類の本を通じて、色んな思考や価値観を感じると、ほんの少しだけ、世界の見え方が変わるような気がします。おすすめのライトノベルを読んで、読書が楽しい! と思ってもらえたら嬉しいです。



この記事を書いてくれたのは
サキイカスルメさん!

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■サキイカスルメ
 イカ系ラノベ読みVTuber。読書大好き! ライトノベル大好き!  面白かった本の感想を語るイカの女の子。雑談配信で記事の感想お待ちしてます♪

YouTube:@surumesakiika
X:@surumesakiika
ラノベインフルエンサーインタビューはこちら!



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